帯状疱疹ワクチン接種のお勧め
当院では 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス」の接種を行っております。
1回税込み 22000円で、2か月開けて2度接種の必要がありますので、2回で44000円となります(保険診療適応外となります)。
令和5年7月より世田谷区の助成金(1回接種につき1万円)対象医療機関となっております。
お薬の取り寄せに1週間程度かかることもありますので事前にご連絡いただけますと幸甚です。
対象は50才以上の方です。新型コロナワクチンや季節性インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチン接種前後2週間の間隔をあけていただければ接種可能です。生ワクチン(麻疹風疹ワクチンなど)を接種した場合は投与間隔を27日あける必要がございます。
またご体調(発熱、重い急性疾患に罹患している、ワクチンでアレルギー歴が有る等)によっては投与を見合わせることもありますので御了承下さい。
☆帯状疱疹とは、小児期に水痘に感染(不顕性感染も有)後、水痘帯状疱疹ウイルスが生涯にわたって知覚神経節や脳神経節に潜伏感染します。その後加齢や疲労、ストレス、悪性腫瘍、免疫抑制状態などを契機に再活性化し、神経支配領域に疼痛が出現、時に水疱を形成します。80歳までに日本人3人に一人が発症するとも言われています。
通常、皮疹が出現する数日前(数か月かかった例もあり)より罹患部位に痒みもしくは痛みが出現、皮疹は5日程度持続し徐々に痂疲化していきます。1か月ほどで消失しますが、痕が残る場合もあります。皮疹が出ない帯状疱疹もあり、診断が難しくなることもあります。
治療は抗ウイルス薬の投与です。殆どは経口内服薬で治癒しますが、全身状態不良や免疫抑制状態の重篤化が予想される場合は入院の上、点滴で投与されます。重篤化率は罹患者の3%程度ですが年1例ほど死亡例の報告もあります。また眼や脳神経に合併症を生じ、後遺症が残ることもあります。日本人の発症率は年間0.48%ですが、50代では1.15倍、70代で約1.66倍になります。
帯状疱疹で問題になるのは、帯状疱疹罹患者の約20%にみられる皮膚病変が治癒後も残存する神経障害性の疼痛です。痛みは数か月から数年続くとされます。ひどい場合は痛みで眠れなくなったり、患部の皮膚に触れただけで強い痛みが生じることもあり、日常生活に支障をきたします。
帯状疱疹のワクチンには以前より乾燥弱毒生水痘ワクチン(9500円程度、一回接種)がありました。シングリックスに比し安価であり、1回で済むメリットもありますが、帯状疱疹発症予防効果は51%程度(シングリックスは97%)、有効期間は8年(シングリックスは9年以上)と効果に差があるため、今回当院では「シングリックス」を選択し投与を行っております。
グラクソスミスクライン シングリックスHP https://jp.gsk.com/ja-jp/products/our-prescription-medicines/shingrix/